何かと慌ただしい新生活を応援!家事にゆとりをうむ、電子レンジひとつで完成するお肉料理
電子レンジは、料理の温めなおしや下ごしらえに利用するイメージが強いですが、実はこれ一台でお肉料理が完成する便利な調理家電です。電子レンジ調理は、少しの分量から作りやすいので、一人暮らしの方や新生活をきっかけに料理をはじめる料理初心者の方にもピッタリです。そこで今回は、電子レンジひとつで完成する簡単お肉料理をはじめとしたアレンジメニューをご紹介。エバラ食品だからこそ知る「かたまり肉」「薄切り肉」「ひき肉」といった形状の違うお肉を使う際の調理のポイントに加え、お肉が固くなるといった電子レンジ調理が抱えるデメリットを払拭する秘訣も教えてもらいました。
■電子レンジに求める「簡単」調理
何かと慌ただしい新生活。慣れない生活で、仕事に家事にと奮闘するなか、気づけばあっという間に一日が過ぎていたということもあるのではないでしょうか。そんなときに活躍する調理器具のひとつが電子レンジなのです。「SnapDishみんなの食卓体験ラボ」調査データによると9割の方が「料理に関する家事を時短したい」と回答しており、なかでも手間をかけず時短を叶えたいと考えているものが「調理工程」と回答しています。確かに調理工程を思い浮かべると、食材を洗う・食材を切る・下ごしらえを行う・加熱するなど工程数が多く時間もかかることから、なるべく時間を割きたくない方が多いことも納得ではないでしょうか。また最近では、家事の負担を減らしてゆとり時間をうむ「時産」という考え方が広がっているなど、どうすれば家族との時間をうむことができるのかといったコツにも注目が集まっています。
事実、料理レシピサービスを提供するクックパッド株式会社が行った調査によると、「電子レンジ」の検索組み合わせとして頻出しているものが「簡単」のキーワード。次いで、さつまいも・じゃがいも・とうもろこしといった食材そのものが検索されていることからも、電子レンジを調理や下ごしらえに活用していることが伺えます。
■電子レンジの活用法は温めなおしが多い⁉︎
2人以上の世帯では保有率が約97%と、冷蔵庫・炊飯器と同水準で普及している電子レンジですが、インターネット調査によると、「家庭で作った料理(おかず)やご飯の温めなおし(冷凍以外)」が電子レンジ所有者の69.4%。「市販のお弁当や惣菜等の温めなおし」「解凍(冷凍食品や、家庭で冷凍保存した食材やご飯など)」「レトルト食品、電子レンジ用食品などの調理・温め」などが電子レンジ所有者の各50%台と、多くの方が調理そのものではなく、料理やレトルト食品の温めをメインに使用していることがわかります。
しかしながらクックパッドのデータにて「電子レンジ×簡単」の組み合わせが人気となっているように、電子レンジを調理に使用する方においては、79.9%が「短時間で調理ができる」と回答。また「キッチンコンロと並行での作業ができ効率的」「鍋を使わずに済む(後片付けが楽)」「下ごしらえに便利」といった回答も各40%弱の割合で見られるなど、一度使い方をマスターすることで調理工程がグッと楽になるのかもしれません。
■電子レンジ調理3つのメリット
エバラ食品の管理栄養士である菊岡は、「一般的に野菜は加熱する際に栄養素が流出しやすいため、効果的に摂取するには電子レンジで加熱する方が良いと言われています。そして、茹で野菜にする際は、お湯を沸かす時間が省け、時短につながり一石二鳥です。また、冷凍肉は解凍と調理が同時進行できるなど、スピード調理が叶うといったメリットも。時間を有効に使える電子レンジ調理は、慌ただしい新生活をサポートする心強い味方でもあります」とコメント。電子レンジを調理に活用している方の間では、野菜は加熱モードにて下ごしらえを行い、お肉は冷凍したものを使用前に解凍モードで調理しやすい硬さにまで解凍するといった方法が広く浸透している模様です。
○火を使わない
火を使った調理であればその場を離れることができませんが、電子レンジであれば調理の合間に掃除機をかけたり食器を洗ったりと、他の家事を同時進行することができます。また火を使わないため、小さな子どもと一緒に調理が楽しめることもメリットのひとつ。お手伝いをするなかで、家族間のコミュニケーションが増えるといった利点もあります。
○料理初心者にぴったり
材料や調味料を耐熱容器などに入れ、ふんわりとラップをかけ加熱することで料理が完成する電子レンジ調理は、料理初心者の入門編としても最適です。新生活で初めて一人暮らしを始める方などは、一度挑戦してみる価値あり。気づけばレパートリーが増えているかもしれません。
○調理から保存までワンボウルでOK
お鍋やフライパンで加熱調理を行い、完成した料理はお皿に乗せてテーブルへ……といった工程が一般的ですが、電子レンジであれば調理・食事・保存までがワンボウルで叶います。調理道具も少なく洗い物も減るため、ゆとりある新生活を迎えるためにも電子レンジ調理をマスターしてみましょう。
【コラム1】調理から保存まで! 電子レンジ調理におすすめの道具
内食需要の高まりもあり、電子レンジ対応の調理器具や食器も多数発売されています。なかでもシリコン製のタジン鍋やスチーマーは見た目も“映える”ことから、完成した料理をそのままテーブルに出してもOK。一人用サイズも充実しているため、単身世帯はもちろん一人でおうちランチを簡単に済ませたいときにもぴったりです。
その他、電子レンジでパスタが茹でられるパスタメーカーや、冷凍うどん専用の器など、電子レンジ対応の便利グッズは年々増加傾向にあります。蓋付きの密閉容器であれば、電子レンジで調理した作り置きおかずをそのまま冷蔵庫で保存することも可能。ゆとりある新生活の準備品として、買い足してみてはいかがでしょうか。
■お肉の種類別!電子レンジ調理のポイント
○ブロック肉
お肉の内部まで均一に加熱できるよう、使う前は常温に。表面をフォークで刺した後、調味料に漬け込むと、加熱しやすく味もしっかり染み込みます。加熱時はふんわりとラップをかけ、蒸し煮状態に。加熱後は余熱を利用して内部まで火を通します。
※お肉の全面に調味料を絡ませるためにも、加熱途中で一度お肉を取り出して裏返しましょう。
○薄切り(切り落とし)肉
加熱ムラができないよう、並べる際はお肉が重ならないように広げることがポイント。ふんわりとラップをかけてから加熱すると、外からの熱でお肉に火が入りやすく、野菜と一緒に加熱することで、さらに野菜にお肉のうま味が入るといったメリットもあります。
○ひき肉
しっかりお肉に味が入るよう、「黄金の味」や「たれプラス」シリーズなどの調味料で下味をつけてから加熱を。一度途中で取り出し、全体を混ぜてから再度加熱を行うと、ムラにならずおいしく仕上がります。
※そぼろのようにパラパラとした食感にする際は、ラップなしで加熱し、水分を飛ばしましょう。
【コラム2】ココを押さえるとOK!電子レンジ調理の基本の「き」
このように、便利な電子レンジ調理ですが、「一度挑戦したものの上手にできなかった」という失敗の経験から、温めのみに使う方がいまだに多いことが考えられます。事実、「『レシピ通りに電子レンジで茶碗蒸しを作ったけれども上手にできなかった』というお声が寄せられるときがあります」と、菊岡はコメント。食材の分量や使用する器具によって加熱時間の調整が必要なのが、ハードルが高いと感じるのかもしれません。お手持ちの電子レンジの特徴を知り、電子レンジ調理の基本を知れば、時短調理の強い味方となります。ぜひポイントを押さえて挑戦してみてください!
○基本その1 ラップはふんわりと
電子レンジ調理を行う際は、ふんわりとラップをかけて蒸し煮にすることがポイント。チャーハンやそぼろなどパラっと仕上げたい際はラップなしで加熱しましょう。
○基本その2 加熱の際は600W
お手持ちの電子レンジの機種にもよりますが、基本の加熱は600W。500Wの場合は「600Wでの加熱時間×1.2」「700 Wでの加熱時間×0.8」で時間を調整して加熱調理を行いましょう。
※電子レンジの機種・食材の量・器の厚みなどにより、加熱時間が微妙に変わることもあります。お手持ちの電子レンジの取扱説明書に沿ってご利用ください。
○基本その3 水分の少ない野菜に注意
さつまいも・じゃがいもといった水分量の少ない根菜類は、そのまま加熱すると発火する可能性も。野菜の上から少量の水を振ったうえで加熱しましょう。
○基本その4 冷凍のお肉は半解凍で
電子レンジは表面から熱が伝わるといった特性があるため、凍ったままのお肉を使用すると、内部が生の場合も。完全に解凍したお肉はうま味成分であるドリップが出てしまうため、手でほぐせる程度の半解凍での調理がおすすめです。
※少量のひき肉であれば比較的火が入りやすいため、冷凍のまま加熱してもOKです。
○基本その5 加熱は調味料を加えてから
電子レンジ調理はフライパンやお鍋での調理と異なり、味が入りにくいといった特性が。そのため調味料で下味をつけてから加熱すると、お肉に味のメリハリが出ます。■電子レンジ1台で!新生活にゆとりをうむ簡単お肉料理
時間のかかるメインおかずから、もう一品欲しいときのサブおかずまで、調理の時短を叶えてくれる電子レンジ。今回は「煮る・炒める・茹でる」を電子レンジで再現した簡単レシピをご紹介します。
◆チンして煮物!ちょこっとレンジで肉じゃが
時間のかかる煮物も電子レンジにおまかせ!調理から食卓までワンボウルでOKです。
<材料>1人分
牛薄切り肉 40g
じゃがいも 1個
たまねぎ 1/4個
にんじん 1/6本
エバラすき焼のたれ 40ml
水 120ml
<作り方>
(1)牛肉は「すき焼のたれ」をもみ込んでおきます。じゃがいもは8つ切りにして水にさらし、たまねぎはくし形切りに、にんじんは厚さ5mmの半月切りにします。
(2)大きめの耐熱容器にたまねぎ・牛肉・じゃがいも・にんじんの順にのせます。
水を加え、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で約10分加熱し、取り出して上下を返します。
(3)ぴったりとラップをかけ直し、約3分蒸らして、出来あがりです。
※加熱時間は目安です。電子レンジの機種により加熱具合が異なるため、適宜時間を調整してください。
○電子レンジ調理のポイント!
火が入りやすいよう、野菜は小さめにカット。調味料が焦げ付かないためにも、必ずふんわりとラップをかけてから加熱をしましょう。加熱後に余熱を利用して蒸らすと、具材にしっかり味が染み込みます。
◆チンして炒め物!レンジでチャプチェ
乾燥したままで春雨が使える時短調理!牛肉のうま味が染みたご飯に合う一品です。
<材料>2人分
牛薄切り肉(細切り) 100g
春雨(乾燥) 50g
にんじん(千切り) 1/4本
たまねぎ(薄切り) 1/4個
ニラ(4~5cmに切る) 1/2束
生しいたけ(薄切り) 2個
エバラ黄金の味 100g
ごま油 少々
<作り方>
(1)春雨は、長ければ耐熱容器に入る長さに切ります。
(2)耐熱容器に、春雨・にんじん・生しいたけ・たまねぎ・ニラ・牛肉の順に広げてのせます。
(3)「黄金の味」を回しかけ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で約5分加熱し、一度取り出し、よくかき混ぜて、再びラップをかけて約3分加熱します。
(4)仕上げにごま油をたらして、出来あがりです。
※加熱時間は目安です。電子レンジの機種により加熱具合が異なるため、適宜時間を調整してください。
○電子レンジ調理のポイント!
加熱時に野菜から出る水分で蒸し煮にするため、春雨の水戻しは不要。ラップをふんわりかけて加熱することで、パサつきがちな赤身肉も蒸気の力でふっくら仕上がります。
◆チンして茹でる!豚肉ともやしのナムル
あと一品欲しいときに!「黄金の味」で下味をつけたお肉はジューシーに仕上がります。
<材料>2人分
豚薄切り肉 100g
もやし 1袋(200g)
エバラ黄金の味(肉の下味用) 大さじ1
エバラ黄金の味(仕上げ用) 大さじ3
ごま油 大さじ1
片栗粉 小さじ1
いりごま(白) 適量
ニラ(4~5cmに切る) 適宜
<作り方>
(1)豚肉は「黄金の味」で下味をつけ、片栗粉をもみ込みます。
(2)耐熱容器にもやしを入れ、(1)を広げてのせ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で約5分加熱します。
(3)肉に火が通ったら、仕上げに「黄金の味」とごま油を加えて混ぜ合わせ、ごまをふって、出来あがりです。
※お好みでもやしと一緒にニラを加えると、一層おいしく召しあがれます。
※加熱時間は目安です。電子レンジの機種により加熱具合が異なるため、適宜時間を調整してください。
○電子レンジ調理のポイント!
お肉にまぶした片栗粉がもやしの水分を吸うため、べちゃっとした仕上がりになりません。また「黄金の味」で下味をつけるとお肉がやわらかくなるため、このひと手間が重要です。
【コラム3】エバラの調味料は電子レンジとの相性抜群! 時短メニューをどんどん増やそう
電子レンジ調理のポイントを押さえれば、エバラの様々なたれを活用することも可能!メニューの幅が広がるレシピをご紹介します。
レンジで簡単リゾット風。朝食にもおすすめです。
<材料>2人分
ごはん 茶碗に軽く2杯
チンゲン菜 2株
エバラプチッと鍋 ちゃんこ鍋 2個
水 300ml
くるみ(ロースト) 6粒
ナツメグ 適宜
<作り方>
(1)チンゲン菜は2~3cmの長さに切ります。
(2)耐熱容器にごはん・チンゲン菜・「プチッと鍋」・水を入れ、ふんわりとラップをかけて、電子レンジ(600W)で4~5分加熱します。
(3)全体をさっと混ぜて器に盛り、くるみをのせて、出来あがりです。
※お好みでナツメグをふってお召しあがりください。
◆「やきとりのたれ」使用!お手軽鶏チャーシュー
生焼けの心配なし!仕上げに焼けばさらに見た目の香ばしさもプラス。ボリューム満点のメインディッシュにもぴったりです。
<材料>2人分
鶏もも肉 大1枚(約300g)
エバラやきとりのたれ(下味用) 大さじ2
エバラやきとりのたれ(味付け用) 大さじ2
サラダ油 適量
グリーンリーフ、白髪ねぎ 各適量
<作り方>
(1)鶏肉は「やきとりのたれ」で下味をつけ、皮目を外側にしてぐるっと巻いてラップをします。電子レンジ(600W)で約1分30秒加熱し、裏返してさらに約1分30秒加熱し、粗熱がとれたらラップをはずします。
(2)フライパンに油を熱し、(1)を転がしながら焼き、「やきとりのたれ」を加えてからめ焼きます。
(3)冷めたら1cmの厚さに切って皿に盛り、グリーンリーフと白髪ねぎを添え、(2)で残ったたれをかけて、出来あがりです。
※加熱時間は目安です。電子レンジの機種により加熱具合が異なるため、適宜時間を調整してください。
◆「横濱舶来亭カレーフレーク」使用!レンジでキーマカレー
フライパン不使用で洗い物は最小限!忙しいときのお助けメニューです。
<材料>2人分
合挽き肉 150g
なす(さいの目切り) 1本
トマト(さいの目切り) 1/2個
たまねぎ(みじん切り) 1/2個
エバラ横濱舶来亭カレーフレーク 1/4袋(45g)
<作り方>
(1)深めの耐熱容器にたまねぎを入れてふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で約2分加熱します。
(2)一度取り出し、挽き肉・なす・トマト・「横濱舶来亭カレーフレーク」の順に広げて入れ、再びラップをかけて約5分加熱し、よく混ぜ合わせて、出来あがりです。
※加熱時間は目安です。電子レンジの機種により加熱具合が異なるため、適宜時間を調整してください。
エバラ食品工業株式会社 コミュニケーション部 菊岡裕子
管理栄養士 / フードコーディネーター1級 / お肉検定1級
2006年 エバラ食品工業株式会社 入社 マーケティング部にてメニュー開発を約10 年間担当 2016年商品開発部を経て、2018年よりコミュニケーション部にてメニュー開発を担当。 |